Windows環境へ「Docker」をインストールするための「Docker Toolbox」と「Docker Desktop for Windows」のそれぞれの違いについての紹介をします。
2019年5月の時点では、Windows環境へ「Docker」をインストールするときに以下の2種類の選択肢があり、どちらを使用するか迷うことがありました。
- Docker Toolbox
- Docker Desktop for Windows
それぞれのツールの違い、使用するツールの選択方法についてを紹介していきます。
環境
調査するために確認したツールは以下になります。
- Docker Toolbox:v18.09.3
- Docker Desktop for Windows:v18.09
ツールの違いについて
簡単にそれぞれのツールの違いについて説明すると以下のようになります。
- Docker Toolbox:古い(レガシーな)ツール
- Docker Desktop for Windows:新しいツール
なぜ、ツールが複数用意されているかというと、使用するためのシステム要件がツールにより異なるためです。
「Docker Desktop for Windows」を使用するためには、最低でも以下のシステム要件を満たしている必要があります。
- Windows 10(64bit)でかつ、エディションがPro、Enterprise、またはEducation(ビルド15063以降)であること。
- BIOSで仮想化が有効になっていること。
- CPUがSLAT(Second Level Address Translation)に対応していること。
- 4GB以上のRAMが搭載されていること。
これらの要件を満たしていない場合は使用することができないため、「Docker Toolbok」を使用することになります。
このようなシステム要件が必要なのは、「Docker Desktop for Windows」では「Hyper-V」と呼ばれる仮想化システムが必須となるためです。
また、「Docker Toolbok」では、「Oracle VM VirtualBox」と呼ばれる仮想化システムを使用します。
どちらのツールを使用するか
基本的には新しいツールである「Docker Desktop for Windows」で問題ないと思います。ただし、注意事項があります。
【注意】
「Oracle VM VirtualBox」を使用して仮想環境を構築済みは「Hyper-V」と「Oracle VM VirtualBox」を同時に使用できない可能性があります。
一応、「Oracle VM VirtualBox 6.x(2018年12月リリース)」から同時に使用できるようになりましたが、一部のハードウェアでは動作しない可能性があるという報告があるため注意してください。
インストールに含まれている内容の違いについて
それぞれのツールでインストールされる機能についてまとめています。
Docker Desktop for Windows
- Docker Engine
- Docker Machine
- Docker Compose
- Kitematic
- Docker CLIクライアント
Docker Toolbox
- Docker Engine
- Docker Machine
- Docker Compose
- Kitematic
- Boot2Docker ISO
- Oracle VirtualBox
まとめ
「Docker Desktop for Windows」と「Docker Toolbox」の違いについて紹介しました。どちらを使用するかは、必要なシステム要件と注意事項を確認してツールを選択してください。