メール送信プログラムをテストする時は、どのような方法でテストを実施していますか。送信可能な実在しているメールアドレスを使用して、メール送信した結果を確認していることが多いのではないでしょうか。
しかし、この方法では以下のような問題を引き起こす可能性があります。
- 稼働中のメールサーバーを使用して試験するのがダメなところ(メールサーバーへの負荷が増加する問題など)。
- メールアドレスを誤り関係ないところへ大量メール送信を実施してしまう。
このような場合は、試験用のメールサーバーを構築する必要があります。ただし、メールサーバーを構築するのは手間もかかるため簡単にメールサーバーの機能を持つツールを使用できると助かると思います。
今回は、メール送信をテストするためのダミーのメールサーバーとして使用できる「FakeSMTP」を紹介していきます。
環境
検証時の環境情報を以下に記載します。
- OS:Windows 10 Pro
- バージョン:1709
- OSビルド:16299.1087
- Java:8
- 「FakeSMTP」を実行するためには「Java 6」以上の実行環境が必要になります。
- FakeSMTP:2.0
FakeSMTP
「FakeSMTP」とは、メール送信をテストするためのメールサーバー(正しくは、SMTPサーバー機能)にGUIを備えているツールです。送信したメールは外部に送信されることはなく、GUIで送信メールの出力結果を画面で確認することができます。
ダウンロード方法について
ダウンロードは公式サイトの「こちら」から取得してください。2019年6月時点のバージョンは「2.0」になります。
起動方法について
ダウンロードしたJarファイルを直接ダブルクリックすることで起動できます。
または、コマンドを使用して起動することもできます。コマンドを使用しての実行例を以下に記載します。
java -jar fakeSMTP-2.0.jar
コマンドの引数などの使用方法については、「FakeSMTP」の「Usage」を参考にしてください。
使用方法について
起動時の画面について
起動すると以下のような画面が表示されます。
画面から以下の設定値を変更することができます。テスト環境に合わせて適宜変更してください。
- リスニングポート
メールサーバーとして使用するポート番号を指定します。 - メッセージ保存先
受信したメールメッセージの保存先を指定します。保存したメッセージはツールを終了しても保存されているため、後から確認することもできます。
「サーバー起動」を押下するとメールサーバーが起動します。
メール受信後の画面について
メールサーバー起動後にメールを受信すると以下のような画面になります。
メールを受信すると「受信メッセージ」のカウントアップ、「メール一覧」に受信したメールの内容が表示されます。
「メール一覧」に表示されているメールをダブルクリックするとメールクライアントアプリが起動してメールの詳細を確認することもできます。
「SMTPログ」には、メール受信時のSMTPに関連するログ情報が出力されています。
「最新メッセージ」には、最新メッセージのメールヘッダーなどの詳細情報が出力されています。
【注意】
メール送信先ホスト名は「ループバックアドレス(localhost、127.0.0.1など)」にしてください。それ以外にするとメール受信できないことがあります。
まとめ
「FakeSMTP」の使用方法について紹介しました。メールサーバーを構築せずに簡単にメール送信内容を確認できるようになったと思います。メール送信のテストは面倒だと思わずにこのようなツールもあるのでぜひ活用してみてください。
【参考資料】